ベンチプレス635.4kgを挙げた男!ジミー・コルブとは?659kgに到達した驚異の記録
ベンチプレスで635.4kg。
数字を見て「ポンドの間違いでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。
この桁外れの重量を挙げたのが、アメリカのパワーリフター、ジミー・コルブ(Jimmy Kolb)です。さらに2025年には、659kgの成功記録も残しています。
ただし、最初に押さえておきたいのは、これが専用の補助具「ベンチシャツ」を使用する競技での記録だということ。
その条件とともに、コルブのすごさを見ていきましょう。
ジミー・コルブとは?超重量のベンチプレスを追求する選手
コルブは、補助具を使用する「エクイップド」のベンチプレスを専門とする選手です。
本人の公式サイトによると、もともとはスクワット・ベンチプレス・デッドリフトの3種目に取り組み、その後ベンチプレスに専念。米海兵隊での経歴も持ち、トレーニング指導やセミナーも行っています。
その競技人生は、ただ大きな数字を一度出しただけではありません。
補助具の特性を使いこなしながら、ベンチプレスで扱える重量の限界を追い続けています。
635.4kgは本当?2023年に1,401ポンドを成功
2023年7月、コルブはアメリカの大会「IPA Tri Star Bash」で、1,401ポンドのベンチプレスを成功させました。
635.4kgという数字は、この試技を紹介した報道で使われている表記です。
なお、競技結果データベースのOpenPowerliftingでは、同じ試技が635.5kgと登録されています。資料によって小数部分の表記に違いがありますが、600kgを大きく超える試技を成功させた点は共通しています。
635.4kgを重量だけでたとえるなら、20kgプレート約32枚分。
普段ジムで20kgプレートを運んでいる方なら、その異常さが想像できるはずです。
両手で1枚ずつ運ぶだけでも、ずっしりと重いあのプレート。それが約32枚分の重量になり、一本のバーベルに載っていると考えると、途方もない数字だと分かります。
※これは重量の比較で、実際の試技で使用されたプレートの枚数や構成を示したものではありません。
さらに2025年には659kgへ!体重の約4.4倍

コルブの記録は635kg台で止まっていません。
OpenPowerliftingには、2025年6月7日の「USPC Sonny Comly 3rd Annual Memorial Meet」で、659kgを成功させた結果が登録されています。
この大会での体重は約149.1kg。挙げた重量は、体重の約4.4倍に相当します。
659kgを20kgプレートに置き換えると、約33枚分です。
ただし、ここで大切なのは記録の区分。この659kgは「Unlimited」という装備区分での記録です。
一般のジムで行うベンチプレスと比較するときは、使用する補助具の条件もセットで捉える必要があります。
ベンチシャツとは?下ろしたときの張力が押し上げを助ける
ベンチシャツは、ベンチプレスの挙上を補助する競技用の装備です。
普通のトレーニング用Tシャツとは異なり、バーを下ろすと装備に張力が生まれ、その反発が押し上げを助けます。
ばねにエネルギーを蓄え、戻る力を利用するようなイメージです。
ただし、着れば誰でも自動的に超重量を挙げられるわけではありません。
装備の特性に合うバーの軌道や身体の使い方を習得し、その力を引き出す技術が必要です。軌道を外れると、十分な補助を得られなくなることもあります。
コルブは公式サイトで、超重量の記録に使用する装備として「F8 Customs Band Shirt」を紹介しています。
ベンチシャツにも種類があり、すべてのエクイップド競技が同じ装備条件というわけではありません。
補助具があっても、600kg超を制御する難しさは残る
ベンチシャツの仕組みを知ると「それなら装備のおかげでは?」と思う方もいるかもしれません。
確かに、装備による補助は記録を理解するうえで欠かせない要素です。
しかし、補助具を使ってもバーに載った重量そのものが消えるわけではありません。
巨大な負荷を受け止め、身体の姿勢を維持し、装備の反発を使える軌道で動かす必要があります。
筋力と装備を扱う技術。その両方で限界に挑むのがこの競技の面白さです。
筋トレを続けている方なら、重いバーベルをラックから外した瞬間の緊張感を知っているでしょう。
コルブの試技では、その重量が600kgを超えています。数字だけでは想像しきれない負荷を競技の場で扱っているのです。
ノーギアのベンチプレスとは分けて考えよう
ベンチシャツを使用しない「Raw/ノーギア」と、使用する「Equipped/エクイップド」は、装備条件が異なります。
なおノーギアでも、リストラップやベルトの扱いなどは団体の規則によって違います。
そのため、コルブの659kgをそのまま「自分のベンチプレスの何倍」と比較しても、競技条件まで同じにはなりません。
また、装備ありの数字から、本人がノーギアで何kg挙げられるかを単純に逆算することもできません。
コルブの記録は「専用装備の使用が認められた競技で、659kgを成功させた」と理解すると正確です。
ベンチシャツはそこまでチートにはならない

↑筆者もベンチシャツを着て少しだけベンチプレスの練習をした事があるのですが、想像してたよりもベンチプレスの重量は伸びませんでした。
着る前は「ベンチシャツを着れば簡単に50kgくらい扱える重量が増えるだろう」と舐めていたのですが、まったくそんな事はありませんでした。
そもそもあまりの硬さに、腕を降ろす事ができず、バーを胸につける事さえできませんでした。
フルギアの入賞者に聞いたところ、バーベルの重さがないとそもそも腕を降ろす事ができないんだとか。
さらに信じられないくらい胸が締め付けられるので、呼吸をする事すら大変な状態でした。
なのでベンチシャツを着たからといって、誰でも使用重量が簡単に伸びるという事はありません。
やはりジミー・コルブの659kgという記録は、いくらベンチシャツを着ているからといっても異次元なのです。
635.4kgで驚いた先に、659kgの世界があった
635.4kgという衝撃的な数字で知った選手が、さらに659kgまで到達していた。
ジミー・コルブは、ベンチプレスの重量の限界に挑み続ける選手です。
その試技を見るときは重さだけでなく、巨大なバーベルを制御する身体の使い方や、専用装備を扱う技術にも注目してみてください。
普段取り組んでいるベンチプレスの先に、これほど桁外れの世界がある。そう考えると、この種目を見る楽しみがまた一つ増えるのではないでしょうか。

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